RPPエクスパンション(RPP-EXP)という新広告メニューが、楽天市場広告のプロモーションメニューに2024年5月7日(火)に追加されました。
どういう広告なのかを、ざっくりと簡単に説明すると、
・楽天市場外に出稿するタイプの
・新しい検索連動型広告
です。
以前にも、楽天市場外に出稿できる類いの広告はありましたが、これまでのものとは掲載先が異なります。
また、広告名称にRPPとあるため、既存の楽天RPP広告と混同してしまいそうですが、その性質はまったく異なる別物の広告です。
本記事では、そんな、まだ誰もがはっきりと捉え切れていないRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)について、詳細に解説していきます。
※本記事は2024年9月時点での執筆記事です。ご覧になられるタイミングによっては最新情報ではない可能性がございますため予めご了承ください。
RPPエクスパンション(RPP-EXP)とは?|楽天市場広告解説
- RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)とは?
- RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の特徴
- RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)はどこに掲載されるのか?
- RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメリットは?
- RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のデメリットは?
- RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の利用開始の手順や利用料金
- 楽天RPP広告とRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の違い
- RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のおすすめの活用方法
- 【補足】楽天市場内のRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)以外の運用型広告について
- 【まとめ】RPPエクスパンション(RPP-EXP)とは?|楽天市場広告解説
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)とは?
画像引用元:楽天RMS(https://info.rms.rakuten.co.jp/rms/message/95702b5b-c698-45c0-a29e-f54ec7abfb24)
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)とは、楽天市場が市場内の出店事業者向けに提供する、新しい検索連動型広告のことです。
2024年5月7日(火)にリリースされたこの広告は、楽天グループサービス以外のインターネットメディアへ、「商品画像+テキスト」の形式にて配信することができます。
広告配信の仕組みは、店舗がRMS上で出品登録している商品の中から、ユーザーが入力した検索キーワードと親和性の高い商品が、自動的にピックアップされて広告として掲載されるという仕組みです。
これまでも、楽天ECC経由で申し込んで購入するタイプの市場広告で、SNSプラットホームのMeta(FacebookやInstagram)と連動したSNS広告である「VIKI広告」や、広告プロモーションメニューのひとつである「TDAエクスパンション広告(ターゲティングディスプレイエクスパンション、TDA-EXP)」はありましたが、検索連動型モデルの外部配信広告としては、初めての広告です。
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の特徴
続いて、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の特徴について、解説していきます。
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の代表的な特徴は、以下の4つです。
◆RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の代表的な特徴◆
①楽天グループサービス以外のメディアに広告が配信されます。
②楽天RMS上で出品登録している商品の中から、ユーザーの検索キーワードと関連性の高い商品を自動的にピックアップして、広告として掲載される仕組みです。
③楽天RMS上で出品登録している商品と掲載原稿は連動するため、広告配信のための画像入稿・原稿編集は基本的に不要な仕組みです。
④楽天RMSの広告プロモーションメニューで、広告配信実績が「パフォーマンスレポート」で確認できるため、配信後の費用対効果の検証が可能になっています。
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)はどこに掲載されるのか?
続いて、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)はどこに掲載される広告なのかについてですが、楽天グループサービス外の以下に広告掲載される仕様です。
◆RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の掲載場所◆
・Google(グーグル)の検索結果
・「ショッピングタブ」
・「画像タブ」
・その他、Googleが提携するWebサイト
シンプルに、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)を活用すると、Google上の面に広告を掲載することができるということです。
近年は、楽天市場内だけでなく、楽天市場外からの集客も非常に重要になってきています。
これにより、楽天グループサービス外のユーザーにもアプローチできるようになるため、自店舗への外部集客促進と認知拡大が期待できます。
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメリットは?
続いて、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)を活用するメリットについて、ここでは以下の3つについて解説していきます。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメリット②]楽天市場外での認知拡大
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメリット③]手軽に費用対効果の検証が可能
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメリット①]広告は自動作成してくれる
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)は、楽天RMS上で出品登録されている商品の中から、ユーザーが入力した検索キーワードと関連性の高い商品を自動的に広告として配信してくれます。
そのため、面倒な画像入稿や原稿編集が一切不要になっており、運用が非常に簡単です。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメリット②]楽天市場外での認知拡大
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)は、楽天グループサービス以外への広告配信を行うため、楽天市場外での認知拡大に期待ができます。
外部集客の重要度が高まっている昨今、この点は店舗にとっても非常に大きなメリットだと言えます。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメリット③]手軽に費用対効果の検証が可能
この費用対効果の検証で着目すべきは、Google上へ配信した外部広告経由での注文有無の検証が、楽天内のパフォーマンスレポートで可能な点です。
Google広告だからといって、Google広告アカウントにログインしなければ効果検証ができない等はなく、配信から効果検証のすべてが楽天RMS内で完結できる手軽さは、店舗運営のオペレーション上、非常に助かる設計なのではないでしょうか。
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のデメリットは?
メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。
続いては、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)を活用するデメリットについて、ここでは以下の3つについて解説していきます。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のデメリット②]広告配信開始時は「ROAS重視」の設定が使えない
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のデメリット③]広告予算の管理は細かく行う必要がある
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のデメリット①]楽天RPP広告のようなキーワード設定や細かいターゲティングはできない
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)では、設定できる項目が、
・継続月予算(広告費の入力)
・入札戦略(クリック重視とROAS重視のモード切替)
・CPC/ROASの入力
・除外商品登録
上記のみの、仕組みとしては非常にシンプルな設計です。
同じRPPでも、楽天RPP広告のように、商品CPCの設定やキーワード設定は一切できないため、ある程度は運用をシステムに委ねなければならないハンドリングの効きにくさは、ひとつのデメリットと言えます。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のデメリット②]広告配信開始時は「ROAS重視」の設定が使えない
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)には、
・ROAS重視(ROAS設定)
という、2つの配信モードが用意されています。
ただし、配信開始時は「クリック重視(CPC設定)」のモードしか利用できない仕組みになっており、「ROAS重視(ROAS設定)」のモードを利用するには、一定の広告経由売上を達成しなければならない仕様です。
この点も、デメリットのひとつと言えます。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のデメリット③]広告予算の管理は細かく行う必要がある
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)は、細かな設定ができにくいという性質上、思わぬ運用ミスから広告費が膨らんでしまう可能性もあります。
例えば、同じような商品が多かったり競合が強いカテゴリーでは競争も激しいため、そういったカテゴリーのキーワードは、クリック単価が高騰する可能性が高いです。
そのため、利用していく上では、普段からできるだけ細かなCPCの調整や予算管理が求められるため、この点も、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の運用上のデメリットであると言えます。
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の利用開始の手順や利用料金
続いて、ここではRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の利用を開始するための手順や、利用料金について順番に解説していきます。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の利用開始の手順や利用料金②]利用料金
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の利用開始の手順や利用料金①]利用開始の手順
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の利用開始は、以下の流れ進めてください。
PC版の楽天RMSにログインしてトップページを開いたら、続いてはレフトナビから、
上記の①②③の順に進んで、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメニュー画面を開いてください。
続いては、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のメニュー画面を開いたら、
をクリックして、キャンペーン管理画面を開いてください。
続いて、その画面上に表示されている、
をクリックして、ここからRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)を配信するためのキャンペーン新規登録の詳細設定を行います。
上記の「新規登録ボタン」をクリックすると、キャンペーン新規登録のポップアップが表示されます。
その画面上で、⑥⑦⑧⑨⑩の順に設定を行うことで、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のキャンペーン新規登録は完了です。
⑥キャンペーン名
ここには、任意の管理しやすいキャンペーン名を登録してください。
⑦ステータス
広告配信をすぐに開始したければ「有効」、逆にすぐに開始したくない場合や途中で止めたい場合は「無効」にチェックを入れてください。
⑧継続月予算
当月の広告月予算を入力します。また、入力した金額は変更しない限り、次月以降も続けて適用されます。
⑨1クリックあたりの入札単価
1クリックあたりの入札単価を入力します。最低クリック単価は10円から設定が可能です。
⑩登録する
最終的に、2箇所のチェックボックスにチェックを入れて、このボタンをクリックすれば、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のキャンペーン新規登録は完了です。
[RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の利用開始の手順や利用料金②]利用料金
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)は、楽天RPP広告と同様の課金の仕組みである、ユーザーからのクリックが発生した際に課金されるクリック課金型広告です。
クリック重視(CPC設定)で設定する場合は最低単価10円〜10,000円で、ROAS重視(ROAS設定)で設定する場合は10%〜1,500%という単価設定になっています。
また、どちらのモードで設定する場合でも、継続月予算(=広告費上限)の最低額は楽天RPP広告と同様の5,000円です。
思わぬ運用ミスから広告費が膨らんでしまうことを避けるためにも、こまめにクリック単価調整と継続月予算(=広告費上限)の管理をを行いながら、自店舗にとっての適切な運用を心がけましょう。
楽天RPP広告とRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の違い
続いて、楽天RPP広告とRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の違いについて解説していきます。
楽天RPP広告とRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)の違いは、以下の通りです。
最も大きな違いは、楽天RPP広告が楽天市場内のみ配信の検索連動型広告であるのに対して、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)は配信先が楽天市場外である点です。
また、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)では、「クリック重視(CPC設定)」または「ROAS(※1)重視(ROAS設定)(※2)」という入札戦略方式が、任意で選択できるようになっています。
※2 配信開始当初は「ROAS重視(ROAS設定)」の選択不可(選択可能目安:過去30日間に広告経由の売上を15〜20件以上獲得している場合)
画像引用元:楽天RMS(https://info.rms.rakuten.co.jp/rms/message/95702b5b-c698-45c0-a29e-f54ec7abfb24)
楽天RPP広告に関しては、こちらの別記事でも詳しく解説しております。
ぜひ併せてチェックしてください。
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のおすすめの活用方法
続いては、楽天RPP広告とRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)のおすすめの活用方法についてですが、これはやはり、広告経由で売れても利益が見込める商品を配信対象に設定することです。
もっと詳しく言えば、転換率や利益率が高い商品やリピート商品を配信対象にすることです。
転換率や利益率が低い商品では売れれば売れるほど赤字になってしまう可能性もありますし、売り切り系の商品の場合は常に新規客を追い続けなければならないため、広告を使うと顧客獲得コスト観点で割が合わないケースも多いです。
もしそういう商品がないという場合は、この機会に、今後の店舗運営の柱となるような、転換率や利益率が高い商品やリピート商品を開発するのも必要かもしれません。
【補足】楽天市場内のRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)以外の運用型広告について
楽天市場には、RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)以外にも沢山の運用型広告が存在します。
楽天市場内のその他の運用型広告について、参考までにぜひこちらもチェックしてください。
楽天RPP広告(検索連動型広告)
楽天CPA広告(効果保証型広告)
楽天クーポンアドバンス広告(運用型クーポン広告)
TDA(ターゲティングディスプレイ)広告
TDAエクスパンション(TDA-EXP)
【まとめ】RPPエクスパンション(RPP-EXP)とは?|楽天市場広告解説
RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)はまだまだ新しい広告のため、今後も機能改善や新機能の開発・実装などが進み、より魅力的な広告になっていく可能性があります。
新情報など、何か動きがあり次第、本記事でもまた随時ご紹介していきます。
今後もらく部では、日本全国の楽天市場ビジネスに従事されていらっしゃる皆さまのお役に立つ情報をお届けしていきます。
本ブログの記事を気に入っていただけた方は、ぜひブックマークやSNSでのシェアをお願いできれば幸いです。
以上、
RPPエクスパンション(RPP-EXP)とは?|楽天市場広告解説
と題しまして、楽天市場内の新広告であるRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)について、楽天市場専門ECコンサルタントの見地から解説させていただきました。
コメント
[…] 【2024年最新】楽天市場広告のRPPエクスパンション広告(RPP-EXP)詳細解説 こんにちは、楽天市場専門ECコンサルタントです。楽天市場広告のプロモーションメニューに、RPPエクスパンション […]
[…] RPPエクスパンション広告(RPP-EXP)詳細|楽天市場広告解説 こんにちは、楽天市場専門ECコンサルタントです。楽天市場広告のプロモーションメニューに、RPPエクスパンション(RPP-EXP)という […]
[…] RPPエクスパンション(RPP-EXP)とは?|楽天市場広告解説 RPPエクスパンション… TDA広告とは?TDAの設定方法や運用のコツを紹介|楽天市場広告解説 […]